虫刺されにご注意を!
過ごしやすい気候が続き、お天気のいい日にはお出かけの機会も増える季節ではないでしょうか。特にこれから夏にかけてキャンプ・川遊びなど野外でのレジャーに出かけることがあるかもしれません。その際に、必然的に多くなるのが虫に刺されです。
そのため、今回は虫に刺されないための対策や虫に刺されてしまった場合の対応をご紹介します。
【虫刺されの種類】
・吸血性(血を吸う虫に刺された場合)
代表的なものは蚊、ブユ、ノミやダニです。これらの虫は人を刺す際に皮膚に唾液(だえき)腺(せん)物質(ぶっしつ)を注入します。この唾液腺物質によって、赤みや腫れの症状が出ます。
・刺咬(しこう)性(せい)(毒を持った虫に刺された、咬まれた場合)
代表的なものは蜂、ムカデ、クモなどです。毒針や毒のついた牙によって有毒な成分が皮膚に注入されることで痛みが発生します。アナフィラキシー反応などのアレルギー症状が出ることもあります。
・接触性(毒を持つ虫に触れた場合)
思い浮かべやすいのは毛虫ですが、すべての毛虫に毒があるわけではなく、毒を持っているのはドクガ類やイラガ類などの幼虫といった一部です。触れてしまうと、毒によって発疹や痛みが出たりします。
【虫刺され対策】
・レジャーでは長そで、長ズボンを着用する
蚊やブユなど吸血性の虫刺されを予防するためには肌の露出を最小限に抑えることが効果的です。ただし、暑い時期には熱中症対策も忘れないようにしましょう。
・外出前に虫よけスプレーを使用する
虫よけスプレーは吸血性の虫刺され予防に有効です。「ディート」または「イカリジン」という成分が含まれた製品が効果的だといわれています。ただし、ディートは、お子さんの年齢によっては使用できませんので注意が必要です。ディート12%は6カ月から使用可能、ディート30%は12歳から使用可能です。イカリジンは年齢制限がないため、家族全員で使用することができます。
・虫に近づかない、触らない
子どもは好奇心旺盛で何にでも興味を持ち触ろうとしてしまいますので、完全に予防することは難しいですが、特にハチに遭遇した際やハチの巣を見つけた際には不要に近づかずそっと離れるようにしましょう。
【虫刺されの症状】
虫刺されの症状には腫れ、痛み、かゆみなどがありますが、虫によって症状の出方は異なり、さらに個人差もあります。症状の原因は大きく分けて唾液腺物質などによるアレルギー反応と、毒の刺激によるものの2つです。
アレルギー反応の中でも特に注意すべきものは、アナフィラキシーです。代表的なものにはハチに刺されることによって起こるものがあります。過去にハチに刺されたことがある場合、再度刺された際にアナフィラキシーショックを起こすことがあります。刺されてから15分以内に全身の蕁麻疹、吐き気や嘔吐、呼吸困難などが生じた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
【虫に刺されてしまったら】
ハチや毛虫などに刺されて痛みがある場合は、保冷剤や冷えた缶ジュースなどで刺さされた個所を冷やして様子を見ます。かゆみは軽症であれば市販薬で対処が可能です。メントールという清涼成分の入った塗り薬を使うと良いでしょう。応急処置としては、痛みの場合と同様に冷やすことでかゆみが和らぎます。かゆみや腫れが続く場合は、迷わずお近くの病院を受診しましょう。特にお子さまの場合はかゆみを我慢できずかきむしってしまうことが多く、その場合水ぶくれやただれといった、とびひの症状がでている可能性もありますので小児科を受診しましょう。
当院では虫刺されやとびひの診療も行っております。少しでも不安のある方はお気軽に受診ください。