肺炎球菌ワクチンについて
2024年度より小児肺炎球菌ワクチンの定期接種として従来の13価ワクチンに2種類の肺炎球菌の成分を追加した15価の肺炎球菌ワクチンが接種可能となりました。
肺炎球菌とは?
子どもの多くは鼻やのどの奥に肺炎球菌を保菌していて、咳やくしゃみなどの飛沫により感染します。子どもの中でも特に2歳未満の体の免疫力が未熟な乳幼児が感染症にかかるリスクが高いと言われています。肺炎球菌が体内に侵入すると、細菌性髄膜炎や敗血症、肺炎などの重篤な病気をひきおこしやすくなります。
肺炎球菌ワクチンについて
定期予防接種として認められた15価ワクチンは子どもに重い病気を引き起こしやすい15種類の血清型を含むワクチンで免疫が未熟な乳幼児でも抗体がつられるように工夫されています。ワクチン接種により重篤は感染症にかかるリスクを95%以上も減らしてくれると報告されています。
接種時期と接種回数
肺炎球菌ワクチンは生後2か月から接種できます。
標準的なスケジュールは4週間隔で3回、生後12~15か月齢に4回目を接種します。
ワクチンの副反応
肺炎球菌の副半には接種部位の発赤、腫れ、軽い発熱、筋肉痛がみられることがありますが、いずれも軽く1から3日で自然に回復します。まれに、アナフィラキシー様症状、けいれんなどが報告されています。
肺炎球菌感染症は予防ができる病気です。
細菌性髄膜炎にかかった子どもの半数以上が0歳の赤ちゃんと言われています。細菌性髄膜炎は病気が重いだけでなく早期診断が難しく、抗菌薬が効かない菌も多いです。そのため生後2か月から肺炎球菌ワクチンの接種をスタートし、遅くても6か月までに免疫をつけておくことが理想です。
肺炎球菌に対して大切なことは「予防」することです。そのためには、定期予防接種で決められたスケジュールでワクチンを接種することが最も大切であると考えています。しかし、特に生後1歳未満の赤ちゃんは接種する予防接種の本数が多く、ワクチンのスケジュール管理にまで手がまわらないことが多いです。当院では、お子さんの生活スタイルに合わせてワクチンスケジュールを組み立てていきますので、スケジュール管理についてもお気軽にご相談ください。