ダニアレルギー
季節に関わらずくしゃみや目のかゆみがある。それはダニアレルギーかもしれません。
ダニアレルギーは適切な対策と早めの治療で症状をコントロールできます。
そこで今回は、ダニアレルギーの原因や症状、治療法について詳しく説明します。
<ダニアレルギーの原因>
ダニアレルギーは、ハウスダストの中に含まれるダニの糞や死骸、そしてダニの分泌物などが原因で起こるアレルギー性疾患です。
アレルギーの原因となる物質が、皮膚や気道に触れることで、アレルギー反応を引き起こします。日本では、年間を通してダニは存在していますが、特に湿度が高く、温度も高い5月~10月にかけてはダニの繁殖が活発になります。繁殖したダニの死骸が増えるのが10月以降の秋・冬の時期です。そのため、秋・冬はダニアレルギー症状が悪化しやすい傾向にあります。
<ダニアレルギーの主な症状>
ダニアレルギーの症状は、年齢や個人の体質によって様々ですが、代表的なものとして以下が挙げられます。
鼻の症状
くしゃみ、透明でさらさらした鼻水、鼻詰まり
目の症状
目のかゆみ、涙目、充血
皮膚の症状
アトピー性皮膚炎の悪化、湿疹、かゆみ
呼吸器の症状
咳、喘息発作
複数の症状が同時に現れることもあります。症状の程度も、軽い場合もあれば日常生活に支障をきたすほど重篤なものまで様々です。特に幼少期のダニアレルギーは喘息発症リスクを高めるため注意が必要です。
小さなお子さんは、症状をうまく説明できない場合もあります。いつも以上にぐずぐずしている、夜なかなか寝付けない、食事の摂取量が減ったなど、普段と違う様子があれば、ダニアレルギーの可能性も考えてみましょう。
<アレルギー検査>
当院では通常の血液検査のほかに、その場で結果が分かる皮膚検査(プリック検査)も実施しています。1歳未満のお子さんの場合は、血液検査よりも皮膚検査の方が正確な結果を出すことがあるため、皮膚検査を行うこともあります。
<症状を軽減させるためにご家庭でできること>
最も重要なのは、家の中のダニの数を減らすことです。定期的な掃除と洗濯、湿度の管理に注意しましょう。
また、ダニが付着しやすいぬいぐるみにも注意が必要です。ぬいぐるみも定期的に洗濯しましょう。ダニは-10℃以下で死滅します。洗濯できないものは、ビニール袋に入れて冷凍庫で一晩凍らせるのも有効です。
<ダニアレルギーの治療法>
5~6歳以上のお子さんは舌下免疫療法での治療が可能です。
舌下免疫療法はアレルギーの原因となるものを少しずつ体内に取り入れて体を慣らしていく治療法です。治療薬を舌の下に置いて一定の時間保持しておくという治療法のため、ご自宅でもでき副作用も少ないとされています。
最初の服用はアレルギー反応がないかの確認のため、クリニックで行いますが、2回目以降はご自宅での服用となるため通院の負担も少なくなります。(月に1回程度、症状の改善状況の確認と服用状況の確認のための通院は必要です)
舌下免疫療法は咳止めや目薬などの対症療法とは異なり、アレルギーを根本的に改善する治療法です。そのため、舌下免疫療法を受けることでアレルギー症状が軽減され、症状のコントロールも期待できます。
治療開始にはアレルギー性鼻炎の確定診断を受けていることが必要ですので、咳や鼻水、目のかゆみなどの症状が年間通して気になる方、舌下免疫療法を希望される方は当院までご相談ください。